石川の清酒

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2009.07.05

酒用語集【水】

酒造りの水

 昔から水のよいところに酒蔵ができるといわれ、酒造りには水は欠かせない(清酒の80%が水分)。 仕込以外にも、酒造りの過程で大量の水が使用される。
米に吸収させる水や洗米用、蒸す時に使われる水、とくに大量に使用するのはタンクや用具を洗う水である。
 酒を造る時、仕込水用に米の1.3倍、蒸米中には米の約0.3倍、仕込タンクには米の約1.6倍の水がいる。そして1tの米を使用するとき洗浄等に、30〜50tの水が必要といわれる。

飲用しておいしい水

 名水百選の水は飲用しておいしい水でほとんどが軟水(その中に灘の水が入っているが中程度の硬水)だが、軽度か中程度の硬水が酒造りによい。

全国的に水のよい所

 灘の宮水のように自然の恩恵を受けて、もともとが酒造りにふさわしい水もあるが、そうでない水もある。酒蔵は、よい水を求め井戸を掘ったり、遠方から湧き水を運んだり努力してきた。現代はそれらの欠点をろ過や加工などで補うこと出来るようになった。
 宮水のほかにも、八幡に思湧(多度津)や昭和井戸(琴平)などが知られている。全国的では、灘、伊丹(兵庫)、伏見(京都)、城白(福岡)、西条・三原・竹原(広島)、諏訪周辺(長野)、会津地方(福島)、湯沢・秋田周辺。

土壌

 山脈のふもとで平野か、または海浜の接点に美酒が多いといわれる(ぞくに花崗岩地帯で赤松群生地帯)

古い地層

 酒造りに古い地層が適しているといわれている。秩父や白山などがそうである。

金沢の地層

 手取川は地下50〜70m、犀川・浅野川は地下150m。二つの水脈は片町辺りで地層が交差している。

水質

硬水と軟水

 硬度とは、カルシウムとマグネシウムの含まれる量。ナトリウム・カリウムなども多く含まれている。多ければ発酵の旺盛な強い水「硬水」、少なければ弱い水「軟水」呼ばれた。日本は世界的にみると軟水地帯に属している。
 硬水はリン・カルシウムといった無機質も多く湧きが強い(酵母の増殖力が強い)酒質酸が多めの辛口。軟水は無機質も比較的少なく、発酵は穏やかでやわらかな味甘口の酒となる。

宮水と白菊水

 「宮水」とは灘の西宮の略。灘は硬度8度の硬水で一般に辛口の男酒、伏見の「白菊水」は硬度3度の軟水で口当たりのよい女酒と呼ばれる。硬度の違う水を用いるため発酵に違いが出て酒質が異なる酒ができる。

男酒と女酒

 辛口の「男酒」は、新酒のころには荒い味だが、暑い夏を越しても味が落ちず、秋口にうまくなるので秋上がりのする酒、または秋晴れのする酒といわれる。
 一方「女酒」は、新酒のころはなめらかな味わい。だが男酒に比べると秋落ちしやすいのが特徴。

無機質

 現在では硬度(カルシウム・マグネシウム)だけでは強い弱いと言わない。無機質も大切な働きをもっているからだ。無機質の比較的少ない伏見の酒は、甘口でやわらかな味になりやすいという。

水と精白

 昔は精白が2割ほどなので軟水が適したが、現在では精白技術が進み硬水(リン・カリウムの多い)水が適している。

水の選び方

 使い方によっては軟水が珍重される。例えば気候が温暖な地域では、醪中も発酵があまり元気がよすぎると酵素による糖化が追いつない(発酵と糖化のバランスがくずれ管理がむずかしい)これを適度に抑えるため仕込み水に軟水を使った方がよい。

宮水の成分表

※ppmはpart per millionのことで100万分の1の単位。水1L中に1mgの物質が含まれている場合1ppmという。
ppm
Fe
Ca
Ma
K
PO4
宮 水
0.003
37.2
6.0
18.5
2.00
一般水
0.05
28.5
6.8
13.1
1.82

鉱物

鉄・銅・マンガン

 酒造でもっとも嫌われるのが鉄。酒中の無色物質が鉄と反応し、赤褐色になるため。また香味の妨げにもなる。
 水道水の水質基準では、鉄含有量は0.3ppm以下だが、酒造用の条件では0.02ppm以下。宮水は0.005ppmの数値を示す。
 同様に、マンガンも日光により着色を強めるので少ないほうがよい。そのほか汚染物資が疑われる有機物なども少ないにこしたことはない。

無機質(リン、カリウム、マグネシウム)

 麹菌と酵母の活動源となる栄養は無機質。特にリン、カリウム、マグネシウムが重要で、これが不足すると麹菌の繁殖が遅く、醪での発酵も不十分となりキレのよい酒ができにくい。またカルシウム、クロールなどの無機質は、酒母や醪、麹からの酵素の抽出を助けるので、強い酵素力をもたせるにはこれらが水に含まれていることが望まれる。

カルシウム・マグネシウム

・リン酸、カリウム、マグネシウム(無機成分)= 麹の発育・酒母の増殖を促進する。
・カルシウム・クロール= 酒母・醪・麹からの酵素の抽出を助けるので水に含まれていることが望まれる
※硬度は、カルシウムとマグネシウムのイオン含有量で表す。(硬度はppm×2.5)

硬度

 2種類ありドイツ硬度とアメリカ硬度。硬度4度などはドイツ硬度、硬度90などはアメリカ硬度
・水道水の「おいしい水」は適度にミネラルと炭酸ガスが含まれ、ほんの少し鉄分がある。

鉄分

・水道水の鉄分許容量0.3ppm、一般敵な酒造用水0.02ppm以下、宮水0.01ppm以下。
・水道水の「おいしい水」は適度にミネラルと炭酸ガスが含まれ、ほんの少し鉄分がある。

マンガン

 鉄同様、着色を強めるので少ないほうがよい。現在では鉄・銅・マンガンなど多い水は一度、酸化させてから使用している。

水の加工

 水にカリウムやリン酸などを添加する(薬品・酒税法に規定)

白ボケ

 清酒に溶解している酵素タンパク粒子が変成し、成長して白くにごることである。(火落ちとちがって全体的に薄くぼやける状態となる)原因は麹の中の糖化酵素(アミラーゼ)にある。糖化酵素は火入れによって変性を受けて大きな粒子となり、その後温度が急速に低下した場合に起こることが多い。
 現在は瓶詰め前におり下げ濾過を実地して白ボケの原因となる物質(タンパク系統)を取り除いてあるので白ボケの心配はほとんどない。なお、70度以上の温度で温めると解消するし品質に欠陥なし。

洗米

洗米

 繊細な米粒だけにその作業は慎重。米を水に漬けておく時間は仕事前にサンプルを使って慎重に割り出す。蒸し上がったときに、外側は硬めで内側は麹が食い込みやすいように軟らかくしたい。そのために含ませる水の量、つまり水に漬ける時間が問題になってくる。この浸漬時間、普通酒は1昼夜かかることもあるが、吟醸用は粒が小さいのでストップウオッチ片手で浸水時間をはかる。

蒸米

吟醸蒸米

 ほどよく水分を含んだ米は、1晩おいてこしき(大きな蒸器)で蒸される。蒸し上がるとスコップで掘り起こされて、一般酒はベルトコンベア式の放冷機に乗せて冷やしながら放冷場に運ばれるが、吟醸酒用は繊細過ぎるので、人の手で運び、ほぐし、広げて冷やされる。
 蒸米には温度計が差し込まれ、人の体温と同じくらいになったら、麹室(こうじむろ)に運ばれる。